欠損症を考える④ インプラントを知ろう

インプラントについて書く前に
当院ではインプラントのメリット、デメリットを考えた場合、デメリットの方が大きいと考えております。ゆえに当院ではインプラント手術は行っていません。

インプラントは1回法と2回法がありますが、1回法は推奨できませんので2回法について説明します。


インプラント基本手術(2回法)


1回目


  1. 麻酔をします
  2. 歯を切開し専用ドリルで穴を開けます
  3. インプラントを埋入します
  4. 歯ぐきをとじます
  5. ドライマウス

インプラントが骨と付くまで半年ほどおいておきます。


2回目


  1. 麻酔をします
  2. 歯肉を切開し表面にインプラントの頭を出します
  3. インプラントの頭の部分に最終補綴物との接合部分であるアタッチメントを取り付けます
  4. 最終補綴物の製作・装着

インプラントのメリット


  • 入れ歯のように装着時の違和感がない
  • 健全な歯を削らずに、自歯のような感覚で食事ができる

インプラントのデメリット


インプラントは人工物


骨に直接インプラント体を打ち込むため歯牙に歯根膜というクッションがあるがその代わりがないため通常の咬合状態で冠をかぶせたら咬合性外傷(骨に無理な力がかかります)となります。そのため冠の材料の種類や咬合面の接触点の与え方が色々問題にされています。



インプラントの寿命は短い


歯周病、歯軋りで歯の喪失が起きた後のインプラントの寿命は、虫歯などで喪失した場合よりも短いといわれています。それは、日常の生活習慣や、口腔ケアーが、口腔環境にとって適切でないからです。


インプラントは骨とは結合しますが、歯肉とは結合しません。通常、歯と歯肉は付着上皮で特種な結合していますが、インプラントと歯肉間ではそれに代わるものがないため、人工的に歯周ポケットを作る様になります。口腔環境が悪いとインプラント歯周炎を増悪させます。


ゆえにインプラント治療を行った場合は、定期的にケアーが必要ですが、インプラント治療のケアーは保険診療外になります。


インプラントを打つ場合の解剖学的な問題


上顎骨は下顎骨の骨と違い、上顎骨は薄くてもろいです。また臼歯部の上には上顎洞とゆう空洞があります。


下顎骨は丈夫ですが、前歯部は骨幅は狭く、臼歯部付近は、下顎骨の中心より頬側よりは、下顎菅(下顎神経、血管)が在りまた舌側よりは、骨がえぐれていて内側翼突筋が存在します。それらをさけてインプラントを打つ必要があります。骨頂よりやや舌側よりに斜めに打つ必要があります。


インプラントと咬む力(咬合力)との関係は、骨に対して垂直方向に加わることが理想ですが、上記の関係によりインプラントは垂直には打つことが出来ません。そのため、インプラント体は咬合力に対して、側方向で力を受けるようになりますのでインプラント上の補綴物の咬合の与え方、咬合力のコントロールは重要です。



喫煙者、全身疾患のある方はあまりすすめられません。またブラキシストの方のインプラントの寿命も同じです。
最近では、特養に入所される場合はケアが大変なため、インプラントの除去を希望される場合がでてきています。


インプラント手術の歯科医を選ぶのは、患者さん自身です。インプラント手術は、入れ歯やブリッジを作るより患者さんのリスクはかなり高いです。歯科医の技量、知識、考え方により術後の予後がかなり変わります。また、手術費も平均より激安なところは、注意が必要です。


必要に応じてインプラントの埋め込み手術の前に、術前の手術が必要な場合があります(サイナフリフト※1、GBR法※2など。手術費はインプラント手術とは別料金で、自費診療となります)


※1 サイナフリフト
上顎奥歯付近には空洞(上顎洞)が存在し、そこの付近の上顎の骨は薄くインプラントを植える場合突き抜けてしまう場合があります。そのような場合、上顎洞の骨量を増やし、厚みを作り、インプラントが十分直立できるようにする目的で、サイナフリフトをおこないます。

※2 GBR法(骨再生法)
骨幅や高さが足りない場合にインプラントが完全に骨の中におさまりきらず、インプラントの一部が骨の外側に露出してしまうことが予想されるケースに対し、露出が予想される部分にメンブレンと呼ばれる人工膜を覆い被せることにより骨の再生を促します。

関連記事

  1. 欠損症を考える① 欠損症とは

  2. 欠損症を考える② 義歯(入れ歯)を知ろう

  3. 欠損症を考える③ ブリッジを知ろう

PAGE TOP